複写機7

定着、転写と遡って、次は現像である。「現像」というと銀塩写真の化学的処理で像をフィルムや印画紙に浮かび上がらせる工程を思い浮かべるが、複写機の場合の現像は、感光ドラムに形成された電気的な像(潜像という)にトナーを付着させる工程をいう。感光ドラム上の電気的なイメージにトナーをどうやって付着させるか。これはいくつかの方式があるが、多用されているのが、磁性体の粉にトナーをまぶして、これらをマグネットローラ(現像ローラ)に塗布して、感光ドラムに接触させる方法である。黒いトナーの場合は、磁性体の粉を用いず、トナー自体に磁性体を含ませる方法もあるし、全く磁性体を用いず、トナーの帯電を利用してローラにトナーを塗布させて現像する方法もある。

ともかく、帯電したトナーを電気的な潜像に接触あるいは近接させて、トナーを潜像に付着させるわけだが、やはりこれもそう簡単にはいかない。感光ドラムと現像ローラの間に電界をかけてトナーを行き来させ現像させることが多い。トナーを帯電させ、現像ローラに塗布し、潜像と対面させて、電界によって(あるいは電界と磁界のバランスによって)潜像にトナーを現像する。現像工程は、このようにトナーの帯電、現像ローラ上への塗布、最適な電界の形成、など検討するパラメータは多い。