複写機8

さて現像の前工程は、潜像形成そしてその前が帯電である。これらの工程は、要は感光体(光が当たると抵抗が変わる)を一様に帯電して、そこにコピーする原稿の反射光を当てると原稿に応じた帯電模様ができるということである。一様な帯電はコロナ放電を与えればよく、反射光はライン状の光源とミラーで構成すればよい。もちろん最近はラインスキャナーで読み取ったデータを信号処理して、レーザーやLEDで照射している。

潜像(帯電模様)は、画質に大きな影響を及ぼす。大雑把に言って、原稿の黒いところと白いところの電位差が潜像である。黒いところには、トナーが付いて欲しいし、白いところにはトナーがついてはならない。トナーは現像工程で付くわけだが、潜像の電位差と現像工程での電界によって、トナーの付着特性は変わる。更に、原稿の細かさに対応してちゃんと帯電模様ができているかどうか、によりコピーの精鋭度が変わってくる。デジタル潜像であれば、原稿に対応してどんな潜像を形成するか、例えば大きなドットで潜像を形成すれば、ノイズに対しては強く均質性は向上するが、先鋭度は落ちてしまう。潜像のでき方は感光体の特性にも大きく関わり、感光体の特性や信号処理が画質に大きく影響を与える。

それからこの工程の前にクリーニングという大事な工程がある。感光体にブレードなどを密着させて、転写残のトナーなどをクリーニングする工程である。クリーニング不良が発生するとコピー用紙を汚してしまう。

ここまでが、複写機プロセスの大まかな流れである。