複写機2

複写機はオフィスにはだいたいありますので、紙詰まりなどのトラブルでカバーを開けてみたことがある方も多いと思います。とはいえ、その中身は部品が詰まっていて、その下を紙が通るぐらいしかわかりません。

複写機は、電子写真技術と呼ばれる方法で原稿を紙に複写します。この電子写真技術は、カールソンプロセスとも呼ばれ、チェスター・F・カールソンが発明したものです。現在、オフィスにある複写機は、90年前にカールソンが発明した方式を今なお用いています。

この電子写真技術を簡単に説明します。まず感光体を一様に帯電させておきます。感光体は、光を当てると電気的性質が変わる性質があります。帯電している感光体に複写したい原稿を反射した光を当てます。そうすると感光体に原稿に対応した帯電模様ができるわけです。これにトナーを擦り付けて感光体上にトナー像を作ります。今度はこのトナー像を紙に転写して、最後に熱でトナー像を溶かして紙に定着させます。複写機はこんな仕組みで、紙に原稿をコピーするのです。

これらのプロセスはそれぞれ、帯電、露光、現像、転写、定着と呼ばれます。それぞれの動作は上に書いた通りなのですが、トナーを擦り付ける?どうやって?と突っ込みどころ満載です。このプロセスは90年前にカールソンが思いついたアイデアそのもので、いまだに用いられている素晴らしい方式なのですが、そう簡単ではない技術だったのです。